株主が取締役の行為の差止めを請求する(内容証明郵便の書き方と文例)
株主が取締役の行為の差止めを請求する【内容証明書の雛形・書式・テンプレート】
取締役が法令や定款に違反する行為を行ったり、取締役としての善管注意義務(その地位に応じて一般的に要求される程度の注意義務)に違反する行為を行うことによって、会社に著しい損害が発生する危険性がある場合には、株主はその行為の差止めを請求することができます。ただ、この差止請求はどの株主でもできるわけではなく、公開会社(全部または一部の株式の譲渡につき会社の承認を必要としない会社)では、6か月前から引き続き株式をもつ株主に限られます。
(内容証明書のテンプレート・雛形)
この内容証明郵便の文例は横26字以内・縦20行以内の書式で書いています。
通知書
私は、貴社の普通株式1000株を、平成○○年○月○日より所有している株主です。
さて、貴殿は、平成○○年○月○日開催の取締役会において、株式会社○○○に対し○○億円の融資を決定いたしました。しかし、昨今の株式会社○○○は、業績が悪化の一途をたどっている企業です。
よって、貴殿の行為は、当株式会社に著しい損害をあたえるおそれがあるため、私は、会社法第360条に基づき、貴殿に当該行為をやめることを請求いたします。
平成○○年○○月○○日
東京都調布市○○町1-1
山田花子
山田花子
埼玉県さいたま市○○町1-1
○○○○株式会社
代表取締役 ○○○○ 殿
○○○○株式会社
代表取締役 ○○○○ 殿
内容証明の書き方とポイント
- 書面には、6か月以上前から株式を保有していること、取締役が法令・定款に違反する行為や善管注意義務違反の行為をしていること、または、そのおそれのあること、そして、会社に著しい損害が発生するおそれがあることを記載します。
用紙が2枚以上になります
- この文例は横26字以内・縦20行以内の書式で内容証明書いています。
- 縦20行を超える場合は、用紙が2枚以上になります。
会社経営にかかわるトラブルで使用する内容証明の文例
- 株式引受人が発起人の責任を追及する
- 株主が会社に対して株式譲渡の承認を請求する
- 株式譲渡の申し出に対する回答(不承認の場合)
- 事業譲渡に反対する株主が会社に対して株式買取を請求する
- 株主が会社に対して株券不所持を申し出る
- 株主からの株券不所持の申し出に対する回答
- 株式を譲り受けた者が会社に対して名義書換を請求する
- 株式譲渡制限新設に反対する株主が会社に株式買取を請求する
- 株主が会社に株券喪失登録の請求をする
- 名義上の株主に株券喪失登録があった旨を通知する
- 株主が会社に対して新株発行の差止めを請求する
- 株主が株主総会の議題を提案する
- 株主が会社に対して株主総会の招集を請求する
- 株主が会社に対して株主名簿の閲覧を請求する
- 株主名簿の閲覧請求に対する回答(拒否する場合)
- 株主が会社に対して計算書類・会計帳簿等の閲覧を請求する
- 計算書類・会計帳簿等閲覧請求に対する回答(拒絶する場合)
- 取締役が会社に対して取締役を辞任する旨の通知をする
- 会社が取締役に対して解任を通知する
- 取締役を解任されたことへの損害賠償の請求をする
- 株主が取締役の行為の差止めを請求する
- 株主が会社に取締役の責任追及訴訟を提起するよう請求する
- 監査役が取締役の違法行為の差止めを請求する
- 会社が取締役に対して損害賠償を請求する
- 会社が元取締役に対して競業の差止めを請求する
- 不良社員が退職する事実を担当取引先に知らせる
- 広告への社名掲載の中止を請求するとき